雲のように風のように

昔、大昔、テレビでちらっと最後の方だけ見た記憶があるアニメ。それをBSで放送するというので録画して見てみた。そしてなんじゃこりゃと驚いた。ほんと、何十年も前から気になっていたとは思えないクオリティ。誰だ、これを作った人。

昔の中国っぽい感じの名前や衣装や風景の中、皇帝の嫁選び候補として名乗りを上げたのが、田舎の泥付き大根と言われる銀河。これが主人公だから当然皇帝の第一婦人になるのはわかっているが、なぜこの子が選ばれることになったのかという大事な部分がほとんど描かれていない。魅力的でもないし、頭の足りない子みたいな声としゃべり方で、まったくわけがわからない。顔もかわいくないし、とにかくつまらない。こんな魅力的じゃない奴も珍しい。皇帝はイケメンで妖艶。こいつがまた銀河を気に入った理由もまったくと言っていいほど描かれていない。唯一、真っ暗なたるとと呼ばれる通路で知り合って、度胸があるということだけぐらいで。説得力はない。銀河は奔放で子供みたいと誉め言葉のように言われている部分もあるが、どちらかと言うと子供みたいにアホみたいな口のきき方をしているだけっぽい。魅力、どこよ?

脇役も最初から脇と決まりきった感じで対抗馬もなく、そして適当に乱を起こした田舎のごろつきが、なぜかどんどん勢力を増して後宮に押し寄せてくるのも不自然で適当な展開。そして何もしないで投降してさっさと死ぬ皇帝も意味不明。なぜ戦わないというか、なぜ皇帝なのに整備された軍を持っていないのか。バカなのか。全編あらすじを語っただけで終わった謎のアニメを見て、この作品を何となく覚えていてちょっと期待していた自分に往復ビンタをしたい気分に。

声優さんに井上瑶さんがいらして、そこだけちょっと嬉しかった。ほとんどセリフがないけど美少女役だったのも嬉しかったし。こっちの子の方が美しくて賢いから第一婦人にぴったりなんだけどな。銀河役は佐野量子だそうだが、誰だったっけ?というほど記憶にない、昔のなんかいた気がするアイドルさん。素人に主人公やらせるなよなーと思う。声の魅力でキャラの魅力は8割アップするからな!アホの子みたいなしゃべり方と声って、誰得?

と文句ばっかり書いてしまったが、何だったんだろう、本当に・・・と少し遠い目になった夏の午後。