バカにはバカの乳酸菌

最近ひろゆき氏のYouTubeを見ていて、オジサンがビールを飲みがながらダラダラしゃべるだけというのにハマっている。全てを賛成することはできないが、まあまあ同意できるお話なので楽しいのだろうけど、あのひょうひょうとしたキャラクターとか、憎めない表情が得をしているように感じる。同じことをしたとしても、ホリエモンは憎たらしい顔なのでこうはいかない(口調も憎たらしいし)。同じく生意気な顔をしていると言われ続けてきたわたしとしては、見た目が柔らかい人はお得だねと、少々うらやましい。

結構バカに対して手厳しくて、無能な人、無能な人と無能な人を連呼するので、バカでブスで貧乏でババアな身にはつらく、「ああ、自覚していても痛い」と胸を押さえるのだが、それでも見てしまう。だからって彼の言葉はこれといって何も覚えていないんだけど(バカだし)、何か為になっているとも思わないけど(バカだし)、音が欲しくて寂しい時には丁度いいかもしれないという気分だ。映画や音楽はそっちに見入っちゃう、聴き入っちゃうから、聞き流せる暴言は楽しいのだ。

わたしは10代の頃から30歳ぐらいの15年近く、べったり仲のいい女友達がいた。途中留学して離れ離れだったり、お互いに進学やワーホリだったりして距離的には遠くなることはあったが、それでもとにかく仲良しだった。しかし30過ぎて少し経って、「ああ、もうこの子とはお友達ではいられない」と思い知らされ、今じゃすっかり音信不通である。お互いに気の合うところがいっぱいあったから仲良しだったのだけど、彼女のバカさ加減の度が過ぎて、ちょっとついていけなくなっていった。もちろん、彼女に聞けば、わたしの異常性が耐えられないなどといった話は出てくるだろうからどっちもどっちなのだが、彼女のバカさ加減はなかなかのパンチ力で、30も過ぎてくると笑えなくなってきたのである。10代や20代前半ぐらいでは、学校の成績が良くても悪くても、お互いに世間知らずなお嬢さん同士なのでそれほど問題視しなかったことも、30も近くなると気づき始める。それはどうなのかと首を傾げたくなることが増える。そうなってくると、この発言はどうなのかしらとか、こういうことをする人ってどうなのかしらと思い、不信感もわいてくる。笑って「へえ~」と流せた話も、「ん??」と引っ掛かるようになる。そういうことである。お互い様だけど、わたしからすると彼女のバカさ加減はついていけなくなったのである。ついてこいとも言われていないから問題ないんだけどね。

そもそも彼女はそこの地域でも特出してバカが行くのでおなじみなクルクルパーの子がいく高校で、5段階評価でオール2という成績で何とか卒業した勉強できない子ちゃんであった。が、しかし、自己評価は高く、「今から一年勉強すれば東大ぐらい受かる」と豪語していたアホであった。お前の出た高校のレベルじゃ、そもそもどこの大学の受験レベルにも達していないんだけどなと思いつつも、自分の方がいい学校を出ている弱みでそこは追及できず(ちょっといい学校に行っていたからって偉そうに!自慢してきて性格悪い!と罵られるのは必至なので言えない)、「まあ、現役の子には勝てないと思うよ~」とやんわり言うにとどまっていたが、きっぱりと彼女に、「いや、そんなことはない。東大ぐらい一年勉強すれば入れる」と言っていた。二次方程式もろくに解けない奴が言うことかよ、サインコサインでずっこけたまま立ち上がってない奴がねぇ~と思うが、黙っておいたのは武士の情けだ。

その彼女のことを本当に、心底バカだと感じたのは、彼女が転職して、定期代を会社から支給されたときに取った行動である。

彼女の新しい会社は、半年分の定期券を現物で支給していた。配られた半年の定期券を彼女はわざわざ解約に行って、現金化していたのである。え?じゃあこれから会社までどうやって行くつもり?歩いて行ける距離じゃないし、毎日切符を買っていたら損するのに?!しかも半年定期は割引率が高いから会社も半年定期を支給しているのに、バカじゃね??と驚いたが、彼女はその指摘を無視し、「だってお金が欲しいじゃん」と言ってのけたのである。

いやいやいや、よく考えろ。てか、考えるまでもないがな、毎日切符を買っていたら半年でいくらかかるか計算してみ?一日往復がいくら、それを20倍したらだいたい一か月分の通勤代、それをさらに6倍したら半年分な。途中お盆とか正月休みがあるかもしれないけど、ざっくり計算したらそんなもんだけど、半年の定期代よりはるかに高いでしょ?あるいは、その半年分の定期代を片道切符の金額で割ってみ?そしたら何回電車に乗れるかな?それが半年通勤時に乗る電車の回数と多いか少ないか、比較してご覧。

でも彼女は解約するのである。目の前の数万円のために!!

もしも職場が頑張れば歩いて行けるような距離にあるならわかるけども、ターミナル駅から私鉄に乗り換えて急行に乗らないといけないような距離に住んでいたら、それも無理。自転車だって買うのにお金はいるし、まして彼女は自転車に乗れないし、どうやって会社に行くの?と優しく言ってみても、「お金の方が大事だから」という謎のお言葉を発するのみ。要するに、おそらく、推測するに、この定期券を今解約すれば3万とか4万の現金収入が見込めるのだから、そうした方がお得な気持ちになれるし、電車代なんてその時になればなんとかなるんだから別に気にしなくても、毎日必要な電車代は数百円の話だからたいした額じゃない、だから今手元に数万円入る方がいいじゃん?という意味なんだと思う。でも、トータルすると損するということがわからないのである。途中で会社を辞めたって、おそらく定期券そのものの返却を求められたり、その分の定期券代を給料から引かれるので、逃れられないと思いますけどね。

何故それがわからないのか、わたしにはそれがわからない。定期券は会社から家が近い人以外は、まず気にして、給料をもらったら一番最初に買うものである。だから定期券の値段が上がる前には、駆け込みでみんな行列を作って定期券売り場に並ぶんだぜ?新宿駅から私鉄の急行に乗って何十分かかかるような人はやっちゃダメなことぐらい、子供でも分かりそうなのだが。

だが彼女にはわからなかった。そして、時々ガスを止められたとか、電気がつかないとかと言ってわたしの家でご飯を食べてお風呂に入って帰って行ったり、電車代が無いから1000円貸してと言ってきたりしていた。それ自体はかまわないが、そのうちサラ金に手を出し、更にはわたしから借りた5万円を踏み倒して逃げようとしたので、落ちぶれてもここまでくるとちょっとヤバいねと思った。でも彼女の口癖は、「ダレソレって常識ないんだよねえ」だった。わたしのことも、「勉強はできるけど常識はないよね」とよく言っていた。ご忠告ありがとう。電気やガスを止められて、友達がから借りた金を踏み倒す人が常識人だったとは、知らなかったよ。

友達じゃなくなったのにはいろいろ要因があって、ひとつふたつじゃないし、彼女にも言い分があって、わたしのこんなところがムカつくとか嫌いとかがあっただろうし、年をとると立場も変わってきて、お互いに相容れなくなるのは当然である。ちょっと彼女の側の意見も聞いてみたいところだ。わたしのどんなバカなところにムカついていたのかな?と。でも定期券は解約しない方がいいと思う。リモート勤務じゃない限り。