以前在籍していた会社に、電話番(パート)のオバサンがいた。
年の頃は60ぐらいで、身長145センチ体重80キロという感じの結構な体格、色黒で毛深く、顔は武蔵丸に似ていた。でも本人は、「鈴木京香によく似ていると言われるの」と言って憚らなかった。仕事は苦手らしく、若い社員から「常識がない、仕事ができない、見た目がホームレス」と言われていたが意に介さず、我が道を行く不思議なオバサンであった。
あまりにも困った人だったので、ある時、わたしはふとしたはずみで「バカじゃないの」と彼女に向って言ってしまったことがあった。言ったあとで、あわわわ、心の声が漏れちゃったよ~と思ったのだが時すでにお寿司!
オバサンは激怒した。
「何よ!キイイイイ!!失礼ね!!謝んなさいよ!!」
「あーごめん、ごめん、”じゃないの”は余計だったね」と言ったところ、オバサンは「謝ったなら許すわ」と納得してくださったのであった。
いい人でよかったです。