困ったちゃん

ワイドナショー」を見ていたら、松ちゃんが「不良品は必ず出るからなあ」みたいなことを発言して、「おお、不良品とは!これまた炎上ワード!」と驚いた。案の定、ネット上でいろいろ言われているけど、この松ちゃんの発言は、「育ちとか親とかが原因ではなく、犯罪を犯しちゃう人というのは必ず出てくるから難しい話やね」ということで、ナチスの優生思想とは全く関係ないんだよね。それを勝手に関連付けた人がいて、そっちの方が危険思想だと思う。本当に不思議だけど同じ親の元に生まれて同じような環境で育ってもきょうだいで違う成長を遂げるように、なぜか悪い方に悪い方に受け取って、なんでそうなる?という人は必ず出てくるのだ。予測不能なのだ。可愛がろうと厳しく育てようとぐれない子はぐれないし、ぐれる子はぐれる。そういうことを言っているだけで、不良品だから死刑にしろとか、何かテストをして基準以下なら間引けとか、そういうことを言っているのではない。

確かに、そんな子育てをしていたらいい子には育たないでしょうという一般的な物差しみたいなものはあるけど、でもそれも絶対じゃない。そして、誰が育てても割と真っすぐ育つ人もいれば、とっても難しい人もいる。何が地雷か、本人にもわからない。誰もどうしようもないのである。犯罪者になるように子供を育てる人はまずいないし、なるような方法があるなら教えてほしい。そしたらその逆の育て方をするから。勉強勉強と厳しく指導して功を奏する人もいれば、勉強嫌いになる人もいる。勉強しないで働きに行けと言われて不満に思う人も、勉強よりこっちがいいと嬉々として働く人もいる。正解なんてない。そういうことを総合して、不良品=犯罪者が出てくる可能性があるという嘆きである。コントロールできるものでもない、コントロールしようがない、でもだからって放置していたら、自分の家族や友達がそういう人に巻き込まれてつらい目に遭うかもしれないという可能性も否定できない、このやるせない気持ちはどうしたらいいものか、そういうことを言いたいのだろう。

不良品という言葉のチョイスは悪かったけどね。わたしぐらい口の悪い人間でもぎょっとした。だけど、じゃあ、何と表現しようか。「困ったちゃん」と言えばいいのかな。それって言葉狩りだけど、そういうことなのか?でもどう表現しても、意味ないし、変わらないし、やるせなさもなくならない。