連れ子が憎いのはサルも猫も人間も同じ

埼玉県で小学生の男の子が殺された事件は、最初から「犯人はお父さんだよな」とみんな思っていた案件で、無職の男という生き物がするとことは、だいたい暴力か飲酒か殺人ってところでしょうか。いや、そうじゃないんです。この事件、死体で発見された男の子が、①自宅の敷地内にある空き室のガスメーターから発見された、②靴を履いていなかったから、だからなんです。

靴を履いていないということは「室内で殺された」わけで、例えばこの子が出先で誰かに誘拐されて殺されたとしても、室内で殺されたことを示唆してしまいます。誰かがどこかの室内で殺して、わざわざこの子の家の敷地内まで死体を運んで、隣の部屋のガスメーター置き場に隠しますかね?というわけで、そんなわけない、そんなことしない、の連続だからです。靴は失敗しましたね、お父さん。履かせておくべきでした。

子供はみんなお母さんが大好きですが、特に男の子はお母さんが大好き。離婚時お母さんに引き取られた場合、お母さんが再婚すると、お母さんを新しいお父さんと取り合う形になります。新しいお父さんも同様に、子供と妻の取り合いになるのです。そういう、「喧嘩をやめて~二人を止めて~」というのが自慢で、そういうシチュエーションが好きな女もいるからややこしいのですが、連れ子が男の子の場合はこういう問題が必ず生じます。逆に連れ子が女の子だと、義父による性的な嫌がらせやレイプが生じる恐れはあるので、本当に難しいのです。外でデートして、たまに子供も連れて動物園デートなんかをして、というお付き合いだけにしておけばいいのですが、なぜか結婚したがる人間は一定数いるので問題になります。特に無職の男なんかに何のうまみもないのに、何故再婚?と思いますが、結婚したい人間に理屈はありません。家事が完璧にできて任せられるという男性でなければ、無職の男に魅力なんかないと思ってしまいますが、どんな魔が差したのでしょう。本当に、親が浅薄だと子供が損を被ります。苦労させられ、嫌な思いをさせられ、恥をかかされ、挙句最悪だと殺されるのは子供なのです。不思議なことに、大元である母が殺されたり恥をかくことは少ないのです。子供は損ばっかりで、親の離婚再婚で得をしようというのは、子供にはとても難しいのです。

女手一つで子供を育てていると、淋しかったり不安だったりして男の助けが欲しくなるということはあるかもしれませんが、確実に言えるのは、男なんか本当の父親でもあてにならない人が多いのに、まして子供にとっては赤の他人の場合、まったくと言っていいほどあてにならないということです。そして、問題や揉め事、いらぬ争いが増えるだけで、いいことなんかないということをまず心得ないといけません。それでもいいから再婚するのだという覚悟が必要です。自分と子供の喧嘩だけだったのが、子供と再婚相手の喧嘩という組み合わせが増え、更にはどっちの味方をするのかしないのかでもっともめるということを計算に入れていない時点で、お母さんに大きなミスがあります。もちろん、時間をかけて再婚予定の相手と子供の信頼関係を築き上げた後の再婚ならば、良い再婚になることもあるでしょうが、数週間、数か月程度でうまくいくことはありません。まずは子供と再婚相手の相性がどんなものか探り、子供と再婚相手がそれなりの関係を築いていないと無理なのです。すぐにうまくいくとしたら、子供が3歳未満の場合ぐらいでしょう。小学生の子であれば、最初はたまに一緒にご飯を食べに行ったり、遊園地やスポーツ系の遊びに誘いと地味なご機嫌伺いは必要。でも父親面は厳禁です。急にしゃしゃり出てきた男にお母さんを盗られた気持ちになっているのに、その上偉そうに父親面して注意してきたら、そりゃ「本当のお父さんじゃないのに」と言うのが当たり前。もっと言うと、本当のお父さんじゃないのに、そう言われて何が気に入らないのか不思議です。それにこの子の場合、お父さんは生存されているのですから、「そうだよ。君のお父さんは別のところに住んでいるよ。」と冷静に言い返せばいいだけです。まだ健在のお父さんがいるのに、本当のお父さんと思われたいと思っていたとしたら、とんでもない思い上がりでクルクルパーです。ましてお父さん面できるほど付き合いもないし、働きもしないで、子供から何と言われたいと思っていたのか謎です。子供は保守的です。大人なら、「あら、お母さんが働きに行ってお父さんが家のことをするのでもいいのよ。何がいけないの?」と思いますが、子供は「えー、お父さんは普通会社に行くでしょう」と言っちゃうものです。「女の人はスカートをはくけど男の人ははかないにきまってんじゃん」とか。子供は世界が狭いし経験も少ないので、本当に保守的な生き物なのです。大人になれば「いろんな人がいて、いろんな家庭があるんだよ」とわかりますが、子供にはわかりません。だから「普通のお父さん像」からかけ離れた人には手厳しいのです。そして数か月程度の付き合いしかない男にガタガタ言われれば、憎まれ口をたたくなんてことは想像するに難くない。それを想像できなかった32歳の男の方が、幼稚で経験値が少なく頭が悪いと思われます。

ちょっと一旦死体を隣の空き家のメーターのところに隠し、家出したとか神隠しにあったみたいなことにしておいて、昼間か夜中にこっそり死体を山の中にでも隠しに行こうと思ったのでしょう。ところが予想外の、いきなりの警察犬の登場には焦ったでしょう。そしてすぐ死体が発見されて、警察関係者は、「お父さん、あんたじゃん。早く吐きなよ」と思っていたでしょう。とぼけて、「いやあ、英語の塾に行くって出かけましたけどぉ~」と言っても、「靴、家にありますけど?ご遺体も靴を履いてませんでしたけど?靴も履かずに鞄だけは持って出かける小学生っていますか?逆はいるだろうけどねえ」という感じで、刑事さんたちも「めんどくせー、早く本当のこと言えばいいのに」とうんざりだったでしょう。今になって供述を否定し始めたりと、何がどうしたいのか、この人は常に支離滅裂です。

ただ、不思議なのは紐で首を絞めている点です。この杜撰な事件で、死体遺棄がとにかくいい加減にもかかわらず、紐で絞めているのです。家の中に紐がそこかしこに落ちている家なんでしょうか?家の中に常に紐が落ちているのでしょうか?首を絞めるのにちょうどいい紐がすぐそばになければいけませんし、それを首にかけないと絞められません。おまけに、いくら子供でもそこそこ締め上げなければいけないので、カッとなって殺したにしては「用意周到で冷静に殺しているなあ」なのです。カッとなって殴って、そのまま怒りに任せて数発殴ったら動かなくなったとか、突飛ばしたらタンスにぶつかって動かなくなったとか、そういうことなら突発的な事件としてあるかもしれませんが、紐を見つけ、首にかけ、力を込めて締め上げて息の根を止めないといけないのです。もしかして、日ごろから鬱陶しいからいつか殺してやろうと思っていた?という疑念もわいてきます。でも日ごろからという程この二人、出会って長い年月があるわけでもなさそうで、短絡的な割には残忍性が強く感じられます。(のちの報道で、紐は延長コードであったとありました。家の中に普通にある、そこにある使用中の延長コードだったとしても、やはり首にかけて締め上げているので、突発的な殺人とは言い難いところです)

サルも猫も、ほかのオスのタネでできた子ザルや子猫なんて虐待の対象で、時に噛み殺すわけで、それは哺乳類の本能なんでしょう。人間も同じです。連れ子なんて邪魔なのです。暮らしていくうちに情がわくことはありますが、いきなりは無理です。そこを考慮したうえで、再婚を考えるようにしなければいけないと思います。恋愛をすることはかまいません。外ですればいいんです。セックスは家庭に持ち込まないことが、実は子供のためには良いことなのです。子供には大人の事情、大人の性欲は理解できません。自分も子供だったのに、忘れちゃうんでしょうか?

更にこの事件の場合、男は女性の姓に変えているので、もしかすると、この男はサラ金に借金がいっぱいあったかもしれません。苗字を変えることによって新たに借り入れができるということもありますし、昔の借金から逃げることもできたりしますので、素直に男性が女性の姓に変えてくれる場合はなお一層気を付けた方がいいのです。日本の男性は、結婚したら女が姓を男の方に変えると思いこんでいますから、簡単に女性の姓に変えてくれることはまずないです。貧乏人のカスでも女性側に改姓を迫りますし当然だと思ってますので、すぐOKするような男なら、信用協会などで借金がないか調べたほうが良いでしょう。

親の再婚は、子供にとってはおめでたいことではなくて、災難の始まりです。親は色ボケ状態でお花畑でしょうが、子供にとってはまったく逆の状態であります。子供も成人してしまえば関係ありませんが、親の庇護のもとでしか生きられない間は、再婚には慎重にならなければなりません。今回はいくらでも防ぐことのできた殺人事件であったということから、母親の迂闊さが叩かれるのだと思います。本当なら、こんな悲しいことは起きなくて済んだのです。まして母親自身も相手の男性とよく知り合ったうえでの結婚ではないのですから、わざわざ厄災を自宅に招き入れて、危機管理能力に欠ける人です。自分が被害者になるかもしれないのに、そういう危険性を考えないとは。きっと、前の旦那さんは優しい良い人だったんでしょうね(じゃあ、なんで別れたんだろう)。

最後に、男性は、自分が窮地にあり、焦っているときにこそ意味もなく偉そうにふるまい、男のプライドを保とうと暴力や暴言に走ることがあることを覚えておくといいと思います。そうすることで相手を威嚇し、俺の方がえらいんだというマウンティングをして、自尊心を保とうとするところがあるのです。おそらく失業中で後ろめたい気持ちもあり、かっこいい所を見せて名誉挽回をしたくてたまらなくて、子供が帽子を無くしたというどうでもいい、自分にとってまったくどうでもいいことに絡んで、お父さんぶりたかったのだと思います。これで、俺はお前より偉いんだぞと知らしめるためです。ところが子供の憎まれ口に遭い、思わずひるんでしまったのでしょう。そんなすぐひるむ自分の弱さや情けなさ、ダサさに腹が立ったのではないかと思われます。実力はないのにプライドは高いという、よくいる男性の典型例と思われます。こんなしょうもないことでも紐状のもので首を締め上げるという執拗さを持ち合わせているのですから、人間とは矛盾した生き物。あるいは、ビビっているからこそ、素手ではなく、直接体に触れないで殺そうとしたのかもしれません。その後、動揺してしまい、5秒でバレるようなところに死体を遺棄してしまったので、それなりに動転して本当に極悪人ではないのかもしれません。非常に幼稚で、まるで幼児が殺人事件を起こして偽装工作したみたいに見えます。動機の面でも幼児レベルです。こんなしょうもないことで、こんなしょうもない男に殺された小学生の男の子が、本当にかわいそうでなりません。

今回の事件は突っ込みどころが多すぎて、お母さんを含めて犯人も背景も、「おいおい、ちょっと何、それ」なので個人的に非常に興味を持ちました。お母さんは今どんな気持ちでいるんでしょう。でも、申し訳ないけど、この事件、ほぼ間違いなくお母さんが招き入れたことです。ここまで極端な殺人という形にならなくても、遅かれ早かれ家庭内でもめ事や争いごとが起きていたでしょう。なぜ平和な家庭に、お母さんは「どうぞ」と疫病神を招き入れたのでしょう。昔話の時代から、「どうぞ」と入れたことによって災いが始まるのです。お母さんが招き入れた動機が「性欲」だった気がして残念でなりません。