候補者は変質者とほぼ同じ

選挙で若者の投票率が悪いと世間が騒いでいるが、当たり前だろうとしか言いようがない。見知らぬジジイやババアが立候補して、なんかわけのわからんことをほざいて、その時だけニヤニヤ笑って握手を求めてくるが、普段何の仕事をしているか皆目見当もつかない。そんな人、変質者と何ら変わらない。誰が一票投じてやろうと思うか。だから、政策がなくても生活費欲しさに立候補する、且つてテレビで見ていた三流以下タレントが出てきて当選してしまうのである。当たり前の結果だ。だって、ちょっとテレビで見たことがあるから、変質者よりマシに見えるんだもん。

小学一年生の頃から、週に1時間から数時間程度、こんな感じの授業を始めたらいいと思う。「あなたが、家の近くの町内会の役員(あるいは町内会長)になったとしたら、どんなことをしたいですか?あなたの近所で楽しくなったり、嬉しくなったり、便利になったりする何か良いことを考えてみてください」とお題を出して、みんなで話し合う。他人のアイデアをバカにして笑うのは禁止。この段階では財源とか予算は考慮しなくてよい。どうしてそう考えたの?という道筋を教師役の人が上手に引き出す。この場合教師は、担任とかじゃなくて、外部の講師の方がいいと思う。自由闊達な意見を子供たちから引き出すためにも。

話が進んでいけば、財源をどうする?という話になっていってもいい。日本にはこういう法律があって、適当に増税することはできないとか、日本国憲法に抵触するよ?とか、そういう現実の法律とかルールの括りを織り込みながら、学年が上がれば、「自分の住んでいる市で」「県で」と規模が大きくなっていく。そんな話をして、毎回「楽しいねえ。面白いねえ」で終わればいいと思う。妄想空想が広がるだけの授業でいい。それを現実にするにはどういう障害があるのか、どういうことをどうしたら実現可能になるのかも、話が進んでいったらみんなで話し合う。そういう授業を12年も経験していけば、現実の選挙にも興味をもつようになるでしょう。「オレも、大人になったら市議会議員になって小学校を作りたい」とか「国会議員になって、国土交通省の大臣になりたいわ」とか言い出す子が今よりうんと増えると思う。自分が立候補して議員になりたいと思わせないで、誰が投票に行くと思う?やみくもに投票に行けと言っても、行くわけない。自分も被選挙権を得たら出馬したいからこそ、投票にも行きたくなる。ただ投票さえしてくれればいいというのは、間違ってないか?

今回の参院選でも、候補者のマニフェストなどが書かれた広報紙が家に投函されていたけど、それを読んで、「ああ、自分ならこんなこと言わないなあ。これって国政選挙で言うことじゃないよね。これ、市議会議員とかのレベルの話じゃん。バカじゃね」とか、「この人なかなかいいこと言うなあ。そうだよなあ、こういうのって大事だよなあ」なんて思ってくれる子供が増えるように学校で授業をするといいと思う。そして、「書いていることは立派で素敵なことだけど、実行しないどころか、ろくでもないことを始める人もいるよ~」ということも、追跡調査するのも大事だと子供に教えてあげるのも必要な教育だと思う。この授業で、「これは3年前の衆院選マニフェストの書かれた広報紙です。この人とこの人は当選しましたが、この人たちが 当選後何をしたのか調べてみましょう!」というのもいいね。

「自分ならあの人に入れないなあ。だって、あの人こんなことを公約に入れているんだもん。なんだかなあ」とか、「この人いいな、この人に投票したい!!」という目で、立候補者を見るようになって、そうなったらきっとウキウキで投票に行ってくれるようになると思う。そしてなにより、魅力的な候補者が出てこないとウキウキで投票に行けないだろう。「私がなる!」と立ち上がってくれる若い子が増えることもまた、投票率を上げる要因となる。候補者が増えないで、投票率だけ上げようなんて無理無理。

もっとも、政治に興味がないというのは、平和で安定していて、穏やかな国だからと言える。ゴロツキ国家は総じて投票率が高い。投票に行かないと死刑になるような国なら投票率100%だし、一党独裁ならまた同じ。国が荒れていたら、国家機能をガラッと変えたくて投票に行く国民が増える。日本みたいな平和ボケの生ぬるい国(褒めてるのよ。ボケられるほど平和で何の文句があるのか)は、「もういいよ。どうせ誰がなっても一緒だけど、過激な考えとか、偏った考えの野党には入れたくない。怖いもん、あの人たち、原発が故障しても指くわえて見ているだけで何もしないんだもん」と思うだけで終わる。「だから投票に行かなくてもいいよねー。だってどうせ一緒だもん」になる。平和な国というのはそういうものだ。だから国が停滞するのかもしれないけど、安定的に発展してガラパゴス化が進むのもまた、平和な国の特徴なのかも。

選挙特番でも投票率を憂いてただ投票に行けというだけで、具体的なアドバイスもなく、何か画期的なアイデアも出さず、バカみたいだった。若者はテレビ離れだそうで、賢い子が増えたねって思うよ。わたしが子供の頃、テレビばっかり見ていたら頭が悪くなるとか、ろくでもない番組ばっかり!と大人は言っていた。その大人たちが望む国になったのに、テレビを見なくなったと憂いているのはどこのアホなんだろうかと不思議な気持ちでいる。

それはともかく、子供の想像力にかけてみようじゃないの。今ある技術力も、そもそもは空想や妄想から始まる。人が空を飛べたらなとか、暑くも寒くもない状態を作りたいとか、恒久的に水の供給を安定させたいとか。そんな夢物語から始まったのだから、政治の世界も夢物語から始まってもいいのではないの?

妄想力は日本人の得意分野でしょう。アニメや漫画のバラエティの多さ、お話の面白さは世界トップなので、そこを生かせ!妄想で国を創ろう!!