君たちはどう生きるか

さっき書いたのは喧嘩腰過ぎて、なんか殺伐としすぎていて、どうかしていると思ったので引っ込めました。なんだ、この荒みっぷりは!性格悪すぎてどうかしているぜ。

パヤオの最新作を観てきた。

パヤオの頭の中の空想妄想話を見せてもらって、とても楽しかった。わたしはとっても大好きだけど、どんな映画も、どんなものでも好き嫌いはあるので、観てみないと何とも言えないなとしか言いようがない。世間の批評はそれはそれとして、自分が観ないことにはどうにもならない。でもわたしぐらいになると(!)、観なくともだいたいわかるようになる。けど、今回は何の予備知識もなく、まったくわからない状態で、あのアオサギのポスターしか知らない状態で、米津玄師の歌う歌しか知らない状態で観に行った。観なくてもわかるほどの予備知識はほぼゼロ状態で観に行ったのはよかったと思う。とか言いつつも、実はわたしはものすごく頭が悪いのでネタバレされても楽しめる人間。なので予備知識の有無は関係ないような。ネタバレされたのを秒で忘れるので、全く気にならない!犯人を教えられた推理小説も、すっかり忘れて「わ~犯人誰だろう?」とワクワクして読めるという頭の悪さよ。何度も読んだモルグ街の殺人事件も、何度読んでも犯人がわからんとか言い出すし。シャーロックホームズの冒険なんか子供の頃から何十回も読んでいるが、いつ読んでも新鮮。話は覚えているのに、最後は覚えていないとか、犯人やその動機を全く覚えていない。いつも新鮮な気持ちで犯人とご対面である。

パヤオの映画は何か意味深なパーツが転がっているような気がして、目を凝らして観ていたけど、わかったような、わからないような。最初から最後までドキドキハラハラして、ワクワク楽しい約2時間だった。主人公の声がまったく自然で良いなというのと、菅田将暉がうま過ぎてびっくりしたのと、主人公が裕福な家庭なのが羨ましかった。オカン、どっちも優しくて美人ってのも羨ましい。いろいろ羨ましい。そういうことを言いたい映画じゃないけどな。

タイトルが仰々しいせいで、御大パヤオがすごい説教をくらわしてきて、ドカーンと大感動が起るみたいな感じになってしまう懸念があって、そういう映画じゃないと思うけどねーと、そこだけが残念。シンプルなわかりやすい凡庸なタイトルの方が良かったような気がする。そして、広げた風呂敷をどうたたむのかしら?というのも、ほ!?で終わったのが、肩透かしでがっくりする人がいるかもしれない。わたしはあっさりしすぎているところが好きだけど。

かわいいわらわらとか、ふがふが鼻息が荒いインコとか、とんでもないお婆ちゃん達がいちいち魅力的。パヤオの脳内は随分楽しそうだ。インコはムカつくけど、「こちらへどうぞ」の下りは面白かったし、なんだかんだ、いい。あれは〇〇のメタファー、これはこういう意味、なんて探るのも楽しいけど、そんなこと考えないで身をゆだねても楽しいと思うんだけど。

多分、明日になったら、わたしはインコの鼻息しか覚えていないと思う。新たな気持ちで観に行けるお得な?体質なので、あと何回か観に行こうかと思っている。今風に言うと、コスパは悪いかもしれないけど。