少ないからこそありがたい。

最近のテレビは面白くないというのをよく聞くけど、長年生きてきたわたしに言わせると、昔からテレビはずっと面白くなかったよ。たまに面白い番組があるだけで、常にいつも、「しょうもな…」「バカみたい」「くだらない」「こんなもん見て喜ぶバカいるの?」「はあ??」というのがほとんどだったよ。皆さん、過去を美化しすぎ。

最近の若い子はテレビすら持っていない、みんなYou Tubeを見ていると大騒ぎするけど、You Tubeもしょうもないものが多くあって、「え、こんなこと10年以上前から知っているのに、今更すげー得意満面で披露しているけどバカじゃね?」というようなことをやっていたりしていて、面白いものばかりでもないけどね。どちらも面白いものもあるし、くだらないものもあるし、玉石混淆ですってば。

本だってそうで、しょうもない本、読んでも目が疲れるだけで損みたなクルクルパーな本はいくらでもあるのに、わたしが子供の頃の大人は、「本を読む子は偉い!マンガ読んでいる奴はバカ!」と断定している人が多かったけど、本ばっかり読んでいたわたしは密かに、「読書が絶対正義だと思っているとはおめでたい」と思っていたよ。ちなみにわたしは本ばっかり読んでいたけどそこそこバカだし、そこそこだらしのないダメ人間だけどな。しかも大人がもてはやす近代文学の名作みたいなものばかり読んでいたけど、しょうもなーいアホみたいな大人にしかなれなかったぞ。会社でも出世してないし、今後も出世することはないぞ。それはともかく、こんなもん読んでどーすんだ、というほど低レベルな本は、子供向け、大人向け、その他ジャンルを問わずあったのに、一緒くたに評価するのはどうかと思うが。マンガだからしょうもないと思っている人は、物の良しあしが判断できない知能レベルなだけなのに、なんでマンガのせいにするかねえ??と思っていたけど。本読まない人ほど、そういうことを言うと思う。読んでいると、「あ、これハズレだな。この本ダメじゃん」という本に遭遇することはあるから。読まない人が妙なファンタジーを抱いている。

テレビばっかり見ているとバカになるって言われていた子供時代からすると、令和の時代になって若者のテレビ離れが本当に進んでいるのなら、大人が望んだ未来がやってきたのではないの?と思う。賢くなったんじゃなくて?違うの?なんでテレビ離れを憂うの??憂いているのはテレビ局や制作会社、出演者だけで、世の中の大半の人は喜んでいるの?そもそもテレビはYou Tubeと共存共栄しちゃダメなの?どっちかを腐さないとダメなの?そして今の若い子よりもっと若い子が「You Tube見ている奴はダサい。ジジイが見るもの。そんなものティーンは見てない」と言ったら、どうするのかしら。

この世に本が出回るようになった時、時の有識者は何と言っていたんだろう?「言葉は口述で伝えるのが一番正しく伝わる。書かれたものはそこから伝わるものが少なく、書いた者の恣意的なものが加わり正しく伝わらない。なっとらん!本ばっかり読んでいる奴はバカである!」とプンプンしていたのだったら、楽しいなと思う。ソクラテスプラトンみたいな?それが今、テレビとYou Tubeなのだとしたら、確かにレベルは下がったと言いたくなるのも宜なるかな。いやこれこそまさに、わたしも同じ穴の狢。