Ask me why

なんだかんだ言ってもわたしは古市憲寿氏の小説が気になるらしくて、また今回も新作を図書館で借りて読んだ。するすると簡単に読めるし、わかりやすいし、なんということもない説明書き小説は頭を使うこともなく理解できるのでありがたいし、別になんということもないのだが、なんだろうな、これ。これは小説か?

こういうお話、別に嫌いではないし。でも、読んでどうしろっていうんだろうなとも思う。アイドル俳優さんが出演している、画面が豪華で華やかな若い人向けのラブコメドラマみたいで、決して嫌いではないのだが、好きでもないというか、なんだろう、このモヤモヤ。そして相変わらず出てくる固有名詞というかブランド名の羅列。ドヤさ!という古市氏のドヤ顔が見えるような感じ。前にも書いたが、流行りのブランド物の名前はうすら寒くてダサいのである。そして、やたらとでてくるiPhone。とにかくiPhoneandroidじゃダメなのかい?スマホって書いちゃダメなのかい?そして、あの人と思われる実在の芸能人をモデルにしている登場人物とか、もう、本当に、古市はミーハーすぎて、こっちがこっぱずかしい。芸能人を見てキャッキャはしゃぐ古市氏の、芸能人とのお知り合い自慢を聞かされているようで、落ち着いて!古市君!!と肩を叩きたくなる。おそらく主人公は古市氏なのであろう。実はシャッター音が聞こえてきて興奮してしまったとか、細くてありえない程小さい顔で~とか、古市氏がテレビ局で芸能人を見てキャー!と思った感想がそのままお話にあふれ出ていて、かわいいっちゃかわいいが、頭悪いっちゃ悪い。このミーハーではしたないところ、それを隠そうともせず臆面もなく披露できちゃうところが無邪気で、もしかしたら彼の魅力の一つなのかもしれない。

しょーもなーいけど、一応楽しく読めました。これ、少女漫画にしたらよかったのに。その方がしっくりくるんじゃないかな。ただし、実在するタレントさんの設定を拝借して作り上げたキャラクターというのは、創作をする人間としてはアウトだと思うね。おいしいとこどりする癖は、どうやら一生直らないようだなと、嘆息。